東大の今
公募推薦やAO入試による受験者が増加する一方で、東大は、かたくなにAO入試導入を見送っています。大きな理由の一つに、受験生の競争意欲を駆り立て、学力の高い学生を採りたいという想いがあるようです。この方針は今の所、東大の思惑通りになっているようですが、そうせざるを得ない理由もあります。東大受験の2次試験において、100年以上続く歴史の中で、数十年前から少しずつ受験生の合格最低点が下がってきているのです。これは東大に限った話ではありませんが、東大でさえも学力低下の影響を受けているのです。そのような現状を助長するように『東京大学受験は簡単』というある種行き過ぎた風潮が広まりつつあります。ただし、早稲田大と慶應大も参加する主要説明会が東大主催で行われていることからも、東大でさえも多くの大学同様に学生の確保が課題になっており、少なからず敷居を下げなければならのも事実なのです。『全入時代とはいえ、最難関。しかし以前に比べれば合格しやすくなった』というのが、東京大学受験の現状を表すのには適した表現なのではないでしょうか。受験生の多くは偏差値を絶対的なものさしとして用いていますが、時にはこういった相対的なものさしを用いることも確かな判断には必要なはずです。もちろんそういったことを受験生に伝えることが予備校や塾の役割であることは、言うまでもありません。
